ラブ☆シェア


『珠樹、今大丈夫か?』


「あぁ
どうしたんだ?隼人?・・・」


『この前、実さんが
会社で倒れて少しの間、ウチの病院へ入院した』


そこまでは良かった


そのすぐ後に
衝撃の事実を知った。


「どした?
市居珠樹?」


俺は、携帯をギュッと握りしめ、
隣の先生の顔をじっと見た・・・


「何?何なの?」


先生が
なかなか言葉を発しない俺に
苛立ちを向ける。


「先生・・・
実・・・
妊・・娠してる・・・って・・・」


「えーーーーっ?!」


運転手さんが、ビクッと肩を揺らすほど
先生の声が車中に響く。



「市居珠樹!」


視線が1点に集中していた俺を呼び戻すように
先生が、俺の腕を掴む。


「アンタ、もしかして、実とこうなったこと、後悔してんの?」


以前、実と付き合う覚悟を問われた時と
同じ、真剣な顔で、
俺に投げかける。


「後悔なんて・・・するワケないだろ!
俺、誰よりも実を愛してるし、
死んでも守りたいって思ってんだからっ!」


年上の先生に
こんな言い方失礼だと思ったけど、
俺の本当の気持ちだから
そんなの考えてられなかった


「わかった・・・それ聞いて安心したわ」


タクシーが
目的の病院の入り口に停まり、
後部座席から降り、
急いで病室へ向かう。