起き上がれば、
やはり、ダルさが増してくるけど、
背中に枕をあてて
少しそれに凭れた。
「兄貴、そんな難しいカオすんなよ、
実さん、コワがってんじゃん」
ちょっと、辛い体勢だったから
眉を寄せて先生を見てしまった。
「あ、いえ、別にコワくないですよ
お話、続けてくださいね」
「あ、あぁ、」
少し、堅かった表情が、
隼人くんの一言で緩んで、
その表情は隼人くんに似ていて
やはり、
お兄さんなんだと
思った。
「じゃぁ、実さんと呼ばせていただきます。」
また、メガネをくい、と上げる
「念のため、
いろいろと、検査・・・
させてもらいました・・・」
ファイルに入った
カルテ、かな・・・
それを、見ながら私に話す。
「今回、倒れられたのは、極度の貧血と・・・」
そこで、
言葉が止まり、
メガネの奥の瞳が私をじっと、見る。
「あ、あの・・・・?」
不思議に思い、
お兄さんに問いかける

