コンコン・・・


スーッと、
病室の引き戸が開き、
先生が入ってきた。


その先生の後ろには、
見知った顔の男の人が顔を出し、



「実さん、具合どう?」


隼人くん・・・
と、いうことは、


ここは、隼人くんのご両親の経営する病院


またお世話になっちゃったんだ・・・



「うん、少しは良くなったかな・・・」


ホントは、まだ、
少しダルいし、重い・・・


「榊原さん・・・
少し、お話いいですか?」


隼人くんを、
もっとシャープにした感じの先生が、
銀ブチのメガネの真ん中を
くい、と上げ、
私に視線を送る。


話をちゃんと聞こうとして、
上半身を起こそうと動くと、
隼人くんが、
手慣れた様子で
手助けしてくれた。


あ、やっぱり・・・

病気の彼女についてるから
支えなれてる・・・


成長してるんだ、彼も。