「実さんっ!「実っ!!」」


桜井さんや
同僚の真砂子ちゃんの声が
薄く遠くに聞こえたけど

声も出ず、身体も動かなかった



――――――――


――――――――――――――――


う、眩しい・・・



白い天井
無機質な空気


ゆっくり目を開けると
それらが、飛びこんできて・・・


視線を泳がせれば、


「あ、実さん、気がついたんですね」


私のベッドの足もとの傍に
椅子に座った真砂子ちゃんがいた。


「う、うん」


「今、先生読んできますね」


そう言って、
病室を出て行く。


私、

また会社のみんなに
迷惑かけちゃった・・・