自分の仕事も、
いつもより身が入らないのは明らかで・・・


放送を終えて
メールやハガキの処理をしていても
視線が文字を追うだけで
何も進まない


「どうしたぁ?実~?
全然進んでないなぁ~?」


桜井さんが
私のデスクの横にもたれ
見下ろしながら言う


「あ、ゴメンなさい・・・
考えゴトしてた」


申し訳ない顔で
桜井さんを見上げる


「実ぃ
お前、最近元気ないなぁ?
彼氏とケンカでもしたか?」


腕組みをして
私の顔を覗く桜井さん


「ケンカなんて
してませんよぉ

今、研修行ってるんです」



「ほぉ、研修かぁ
懐かしいなぁ

はははっ
それでお前、元気ないのか!

天下の実さんも
彼氏がいないと
使いモンになんねぇか~」


ゲラゲラと笑い
私の頭をポンポン叩き
奥のデスクへと
戻って行く


そんなに、
わかっちゃうのかなぁ~


自分の頬を擦ってみるけど
そんなのわかるはずなく・・・


一息付こうと
席を立ち上がった時だった・・・


目の前が
チカチカッとした途端、
すぐに真っ暗になり


そのまま
意識がなくなり
その場に倒れてしまった