すると
「実・・・」
とびきりの笑顔で、
わたしの腕を引き寄せ、
すっぽりと包んだ。
「ただいま・・・」
少しの間、
珠樹の胸に顔を埋めると、
身体を離されて、
珠樹の顔が
近づいてきて
唇に
キスを落としてくれた
次第に、
私の後頭部を
珠樹の片手が捉え、
キスが深くなる
「・・・っふ・・・んんっ・・・」
「・・・ちょ、ちょっ「押すなよっ「長いな・・・」・・」・・」
リビングの入り口の方から、
いつくかの小さな声が、ざわざわと、聞こえてきた・・・
た、珠樹っ、うしろ!
みんな、見てるのにっ!
なんでっ?
恥ずかしいよぉ
「・・んっ、・・・んんんっ」
珠樹の胸を、片手でバンバンと叩くけど、
一向にヤメてくれない。
「こらぁー、市居珠樹ぃーー
いつまで、やってんのよーーっ
アンタたちも、戻って戻ってー」
美耶子がリビングの奥から
声をあげてくれたから、
ようやく、
私は、解放された。
「・・っはぁ・・んもうっ・・・」
頬を膨らませ、
珠樹を睨むと、
ニヤリとして、
「仕方ないじゃん、
俺を迎えてくれた実、
キスしてほしい、って
色っぽい顔してたからさっ」
んもー、
そんな顔してないのになぁ・・・

