「実ぃ、ちょっと休憩しよー」


荷物をトランクへ入れながら、
美耶子が疲れた声で私に言った。


「うん、わかったー
じゃぁ、この先行ったトコに
新しく出来たカフェ、
行ってみようよ」


「了解~」


赤のハイブリッドカーに
乗り、
美耶子が車をスタートさせる。


店の駐車場へ着き、
車を降りて中へと進む


奥のテーブルへ案内され、


「で、市居珠樹とは、順調?」


椅子に座った美耶子は、
いきなり、聞いてきた。


長野での一件は、
電話で話したし、
美耶子のところへ、
女将さんからも連絡があったようだ。


「順調も何も・・・・

優しすぎるくらい、優しいし・・・

大切にしてもらってる・・・・」

少し、瞳を伏せて、答えた。


「なぁーにー?
優しいならイイじゃない?
やるわねぇ、
市居珠樹もっ」


店員を呼び、
サクサクと注文する美耶子。


「あれから、
本当に、私、大事にしてもらってるの、
食事だって、
まだ、左腕が使えないからって、
半分以上、作ってくれるし、
掃除や洗濯も、
お風呂だって・・・・」


「え?
なに?!
お風呂も一緒に
入ってンのぉっ!」


赤くなった私を
驚きの顔で、
見る美耶子。