山頂に着くと、


何だか、危険区域を見下ろす人だかりが出来ていた。


気になって、俺もその中に向かった。


その人だかりの中に、


希らしき女の子を見たが、すぐにその子はその場を離れてしまったので、


しっかりとは、確認できなかった。


それに、


旅館にいる彼女がこんなとこにいるワケはないと、否定した。


斜面を見下ろすと、


見覚えある、赤いウェアに、白のパンツ、
木の枝に、実が被っていたヒマワリのついたニット帽が、ひっかかっていて・・・・


俺は、震える身体を押し出し、


ボードからブーツを外し、無我夢中で、斜面を降りて行った。


「お、おい、にいちゃん、あぶねーぞっ!、今、レスキュー来るから!」


誰かが、俺の背中に訴えるけど、


そんなの、聞いてらんねぇ!


やっぱり、一人にするんじゃなかった!!


くそぉっ! なんでだよっ!!


なんでっ俺っ、女ひとり、守れねぇんだよっーーー!!