「・・・ん・・・」
朦朧とした意識の中、私の頬を滑る何かを感じた。
珠樹の大きくて温かい手。
その手が、私の頬から首筋、鎖骨の往復を繰り返す。
段々と意識がハッキリとして、
ゆっくりと、瞼を開けると、彼の胸元が目に入って、
恥ずかしさに、少し瞳を伏せると、
「なに恥ずかしがってンの? さっきまで、散々俺のハダカ見てたじゃん」
口元をナナメに上げ、意地悪な瞳で私を見る。
「なっ、もうっ、イジワルっ!」
クルリと体制を変え、彼に背を向けベッドの端まで移動しようとしても
すぐに腰を掴まれ、彼に引き寄せられる。
私の背に、ピッタリと彼の上半身が密着して、
彼の腕は、私の腕に重なり、手の甲を彼の大きな手が包む。
彼の頭は、わたしのすぐ後ろ。
「しばらく、このままでいたいよ」
寝起きで掠れた声で、私の耳元で囁く。
それだけでも、頬が火照る。
「うん・・・」
すっぽりと彼に包まれている最高の幸せ。
「俺さ、」
「うん?」
「また、隼人に気付かされたよ」
「何を?」
「こんなにも、実を愛してるってことをさ・・・・」
耳元での、彼の声に
胸が高鳴る。
「うん・・・私も愛してる」
重ねられた彼の手を私の頬に持っていき、
頬を摺り寄せた。
初詣、ちゃんと行って感謝伝えなきゃね
珠樹と出会えたコト…
珠樹に愛してもらえてるコト…