「そのままの、隼人くんのそのままの気持ちを伝えればいいんじゃない?」
「そのままの気持ち?」
不思議そうな顔で私に問いかける。
「うん、気を悪くするかもしれないケド、
隼人くん、もしかして、自分から気持ちを言うことは、避けてたんじゃないかしら?」
私の問いに、目を伏せて俯いた。
「自分を出さなきゃ、相手もちゃんと応えてくれないわよ?
ちょっと、勇気がいるけど、
ちゃんと彼女の目を見て、気持ちを伝えればきっと大丈夫よ」
彼を安心させるように、
そう、姉を思う弟のような気持ちで私の思うことを伝えた。
しばらく、視線は下を向いていたけれど、
何かが吹っ切れたのか、
「ありがとう、実さん、俺、ちゃんと彼女に伝えるよ。
同情なんかじゃなくて、本気で彼女が好きだし、支えたいから」
そう言った彼の瞳は、誰かを守りたいという男の真剣な瞳だった。
「あと・・・」
余計なお節介かもしれないと思ったけど、言わずにはいられなかった。
「もう、遊んでる女の子はいないわよね?」
「大丈夫!、セフレの女やクラブの女のアドレスは削除したから!」
あ、そ、そうなんだ、
ちょっと驚いたけど、
彼の本気が見えたから、私は素直に応援しようと思った。
「俺も、珠樹を見習うよ 実さん、幸せそーだしさっ!」
え?あ、う・・・
ちょっと恥ずかしいけど、図星。
「ふふふ、そーよ、私は幸せなんだからー だから隼人くんも頑張って」
そう、幸せな時を彼女と過ごせるとイイね・・・

