「桜井さん、大丈夫よ、
ちょっと、悔しいケド、30年生きてきて、少しは打たれ強くなってるから」



桜井さんの腕に触れ、下げる頭を起こしてもらった。



本当は、誰かに支えてもらわなければ、
折れそうなくらい、私の心は弱っていた。



「そうか・・・? 
辛くなったら、すぐ言えよ。
俺だって力になれることくらいあるからさ」



心配そうに、私の肩に手を置いた。




「ありがと・・・」



桜井さんにこれ以上心配かけないよう、
笑顔を作って頷いた。



「そろそろ、時間だ、行こう、実」



桜井さんと、私は、会議室を後にした。