「失礼ですが、奥さん、あなたの浮気が原因で別居状態になったんですよね?
悠二が、どんな辛い思いしたのか、少しもわからなかったんですか?」
別れられない理由がなんだろうと、
そんなの、彼女のただのワガママであることくらい私にだってわかる、
勝手すぎるわ!
ここで、怒っては、相手の思うツボ、
冷静に、慎重に、言葉を発した。
「私のことより・・・実さん…あなた…
離婚の経験があるようね…」
話をすり替え、
まるで、勝ちほこったような瞳で私に反撃する彼女。
「・・・っ!」
触れて欲しくないコトをズバリ言われ、
体が震えた…
膝に置いた手を握りしめ、唇をグッと噛む。
「しかも…
あなたの都合で子供まで堕ろしてるそうじゃないの?」
――――――――スッ
私は、
ソファーから立ち上がり、
バッチーン!!
彼女の左頬を
思い切り叩いた。
「なっ、なにすっ「何故、見ず知らずのあなたにそんなこと言われなきゃいけないの!?
無神経すぎよっ!」
彼女の言葉を遮り、
怒鳴る
驚いた彼女も立ち上がり、左頬を手で覆い
顔を真っ赤にさせて
「とにかく!早く悠二と別れてくださらないと
法的手段に出ますから
覚悟なさい!」
キッと私を睨み、
バッグを掴み、
出て行った。