彼女の正面に座り、
じっと彼女を見た。
「驚かせて悪かったわね、私は、菅原朱美、悠二の妻よ。」
「菅原?・・・」
少し小声で、悠二と名字が違うコトに私は眉を寄せた。
「あぁ、悠二は、仕事上、自分の名字を名乗ってるだけよ、
私は一人娘だから、戸籍上、悠二は私の姓になってるわよ。
まぁ、そんなことは、別にイイわ。
あなたと悠二のコトは…
こちらで調べさせてもらったわ。」
目線を、テーブルの封書に移した。
おそらく、興信所か何処かで調べた書類が入ってるのだろう・・・
「単刀直入に言うと…
悠二と別れて欲しいのよ」
またも髪を掻き上げながら私を見つめて言う。
「・・・・っ」
「あなたも知ってると思うけど、
私たちには娘がいるの。
別居中といえども私達は夫婦だし、
まだ4歳の娘には、父親の悠二が必要なの。
それに・・・
悠二は将来、
私の父の会社を継ぐの・・・
それは、彼も承知のハズよ・・・」
私が、口を開くスキを与える間もなく、
喋り続ける彼女・・・・
「・・・でも・・・
悠二は、もう元に戻れないって・・・」
スキを狙って反撃した。
「でも、私達は別れないわ!
別れられない理由があるのよ!」
鋭い瞳を私に向ける彼女。