中学の頃から吉岡さんは和馬一筋で、和馬と仲がいいあたしに何かと突っかかってきてた。

何度違うって言っても、吉岡さんのライバル視は止む事がなくて。


向けられる挑戦的な目を見ると、どうやら今でもそれは変わらないらしい。

……だから違うのに。


「先輩、まだバスケやってるんですか?」

「……ううん。止めたよ」


あたしの答えに、吉岡さんは少しびっくりした表情を浮かべて……思い当った理由に表情を歪める。


「あ……そういえばまだお母さん帰ってこないんですか?」

「 ……――― 」



諒子と和馬、啓太にしか話していない事実を告げられて、あたしは身体を強張らせた。