「あたし、まだ高校生だよ……?」


口ではそう言いながらも、嬉しくて笑うあたしに気付いた先生が、抱き寄せる。

ドキドキと心地よさの混じる先生の腕の中に胸を高鳴らせるあたしに、先生は最初にした話題を持ち出す。


「言ったろ? 俺、最後が好きなんだって。

……何事においても」


先生の言葉の意味が知りたくて、腕の中から先生を見上げた。


そんなあたしに気付いた先生は、悪戯に笑って―――……



「だから、おまえにとっても俺が最後の男じゃなきゃ納得いかねぇって事」


普通のトーンでそう言った。


何でもないみたいに言った先生に、心臓が異常な速さで刻み出す。

そんなときめきを誤魔化すように、先生の胸に顔を埋めた。


「……先生、サムい」

「あ? なんだと、こら」

「あ、やだっ……、やめてよっ」


先生に頭をくしゃくしゃにされながら、こっそり涙を流した。


温かい涙が、頬を伝って、光る指輪に落ちた。