「あー……今日一日休んでたら、だいぶ楽になったんで」

「そうですか。あ、私、何か作ろうかと思って……」

「あ、すみません。さっき自分で作ったんで、とりあえず大丈夫です」


先生の言葉に、馬場先生が茶碗の中の卵粥を覗き込む。


「矢野先生、お料理できるんですね。

料理のできる男の人って素敵ですよね」

「いや、これくらい普通ですよ」


完全に猫を被ってる先生を楽しく眺めながら、あたしは夕食を終えた。


1人で盛り上がる馬場先生と、それに応えようとしながらも冷めた表情を隠しきれていない先生。


たまに目が合うと、先生は困った表情を向けてきて。

そんな先生に、あたしは笑みを零した。



なかなか馬場先生を追い帰せない様子の先生を残して、あたしは一足先に部屋に戻った。

ベッドの上に置いてあったケータイが、メールの着信を知らせているのに気付いて、ベッドに腰掛けながらケータイを開く。




from.諒子
sub.
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実姫!

要くんと両思いに
なれた!

信じられないんだけど
……


っていうか、
実姫つらいのに
こんな報告ごめんね……


でもどうしても1番に
伝えたくて……


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