「そんなのっ……そんなの、あたしだって嫌だよっ!
先生が他の誰かを好きになるのも、あたし以外を大切にするのも……嫌だよ。
ずっと……
ずっと、あたしだけを好きでいて欲しいよ……。
だけど―――……」
俯いていたあたしの視界に、先生の足が映って。
すぐに顔を上げると、そのまま先生の胸に顔を押しつけられた。
背中と後頭部をそれぞれ抱き寄せる先生に、両手に持っていた飴が床に落ちて散らばる。
「だけど……なに?」
先生の胸から、先生の声が響く―――……
先生の腕が、あたしの背中をぎゅっと抱き締める。
苦しいほどに、強く……。
「……っ」
ずっと……
ずっと、望んでいた場所に、あたしは言葉を失っていた。
本当なら、すぐに離れなくちゃいけなかったのに……
先生の腕の中にいるって事が嬉しくて……
思考回路が、素直な感情しか見つけ出せなかった。
嬉しい、とか、
このまま抱き締め返したい、とか
好きって伝えたい、とか―――……
先生に、抱き締められてる。
その事実だけで、我慢していた涙が溢れ出す。
嬉しくて……
切ない涙が―――……



