「……なに?」
「さぁ。……依存症促進剤とか?」
「……依存症? あんまりよくないんじゃないの? そういう症状」
「いんじゃねぇ? 俺はそれくらいじゃなきゃ安心できねぇし。
おまえに、またいつ別れ切り出されるか不安でしょうがねぇから」
「……っ」
先生の言葉に、ようやく飴の意味を理解した。
つまり、これは……
この飴は―――……
手の中の飴に戸惑いを見せたあたしを、先生は真面目な表情のまま見つめる。
「促進剤が嫌なら……、惚れ薬とかだな」
「……」
「おとぎ話とかに出てきそうでいいだろ」
「……からかわないでよ」
先生の言葉を、わざと誤魔化すように笑うと、先生はあたしの手の中から飴を一粒拾い上げた。
そして、パッケージを開ける。
「別にからかってるつもりでも、ふざけてる訳でもない。
……ほら、口開けろ」
真剣な表情と声に促されて、思わず少しだけ口を開けて……でも、すぐにきゅっと結ぶ。
こんな飴に、そんな効能がないことなんて十分分かってる。
けど……
これを受け入れた時点で、あたしの気持ちは……
先生に伝わってしまう―――……



