そんなの……
「嘘だよっ!
だって……馬場先生、先生が髪触ったとか、じっと見つめてきたとか言ってたもん!
先生があたしを抱き締めたのだって、『私と間違えたのかも』って……言ってたもんっ!!」
「だからそれも……、
馬場先生、おまえと同じような髪型だから、なんか見てるうちに市川と重ねて自然と手が伸びて……
馬場先生が何か勘違いしてんのも、市川と馬場先生を重ねて見てたから、俺の視線が意味深だったんじゃねぇ?
……わかんねぇよ、俺だって。
つぅか……かっこ悪ぃな、俺」
先生は、バツが悪そうに頭をくしゃっと掻いて、困り顔で笑う。
そんな先生の姿に……、喉の奥が熱くなる。
だって……
あたし、あんな事言ったのに……
それなのに、まだ、好きでいてくれたの……?
あたしを―――……
「……嘘」
「嘘じゃねぇよ」
呟いたような言葉を、先生の力強い声が否定した。
『普通の恋がしたい』
『普通の彼氏が欲しい』
自分の言った嘘が頭に浮かんで、あたしは視線を床に落とす。
まだ想い続けていくれていた先生が、嬉しくて……
信じられないくらいに、嬉しすぎて―――……
……―――でも。



