少し遠慮がちに支える市川に視線を落とすと、その表情は戸惑いと緊張を浮かべていて……


赤く染めた頬が

震えるまつ毛が

伝わる体温が……


愛しくて―――……



「え……、先、生……?」



気が付くと、身体が自然と市川を抱き締めていた。



市川のシャンプーの香りが、アルコールの回った身体に吸い込まれていく。

酒のせいで制御の外れた、ぼんやりとした頭かふらつく。


久しぶりに抱き締められた市川が、どうしょうもなく大切で……

どうしょうもなく……


どうしょうもなく―――……





「好きだ……」


市川を確認するようにきつく抱き締めながら、掠れる声を市川の耳に落とした。