『教師』と『生徒』

その関係からでなければ、全部が許される。


先生を見つめる事も

先生に憎まれ口を叩く事も

先生の言葉に笑う事も

先生に軽く触れる事も……


この気持ちさえ隠し続けられれば……


今までの距離を、

望まなければ―――……




「……先生」

「ん?」

「仕事、楽しい?」


あたしの問いに、先生はあたしをじっと見てから……ふっと目を細めて微笑んだ。


「まぁな。

あのばばぁさえいなけりゃ文句ねぇんだけどな」


その答えに、あたしも笑みを零す。



守られている、先生の教師としての場所。

先生のその笑顔をなくさない為だったら……


どんなにつらくても、我慢できると思った。

不安はあるけど、苦しいけど……


きっと―――……




穏やかな空気が、食堂に流れていた。