「かもな。

……そういう実姫ちゃんもオレンジジュースだけど」


あたしに向けられた大池さんの笑顔から、目を逸らす。


大池さんの笑顔に、少しだけ反応した胸。

その前で、手をギュッと握り締めた。


「実姫ちゃんって、寮に住んでるんでしょ? 楽しい?」

「……うん。まぁまぁ、かな」


胸がドキドキして、大池さんの顔が見られない。

それを誤魔化すように伏せた目で笑う。


「門限とかあるの? 怖い寮母さんとかいたりする?」

「門限は……あってないような感じかな……。

管理人さんも、……怖くないし」

「そうなんだ。じゃあゆっくり話せるね」


確かに、反応してる鼓動。

大池さんが笑う度に、ドキドキする気持ち。


だけど……


「じゃあ、食事って給食みたいのが出たりするの?

俺、給食のカレーとか大好きだったんだよなぁ」


トクン……、と胸が大きく跳ねる。