「…やっ……先、生っ」

「……なに?」

「……っ、……」


あたしの反応を楽しむように笑った先生が、耳に直接声を注ぎ込む。

耳元で揺れる空気、それに加えられる先生の甘い声。

そんな些細な事にも反応を示すあたしに、先生はまた一つ笑みを零す。


「…ぁっ……、」


耳の辺りから、ゆっくりと下がっていく先生の唇。

そこから覗かせた舌。


堪らない恥ずかしさに先生の胸を押すも、先生の身体は動かなくて……どこにも逃げ場を失ったまま、あたしは身体を竦める。


「っ……や、……先生っ」


ブラウスの2つ目のボタンに手を掛けた先生に戸惑って、先生のYシャツをぎゅっと握りしめた。

止まらない先生に、困ったようにそう呼ぶと……、先生の呪縛が解かれる。


「なんだよ」

「……っ、なんだよって……」


何事もなかったかのように聞き返してくる先生に、あたしは言葉も出なくて。

恥ずかしさのあまり、俯く事しかできなかった。



戸惑った自分が恥ずかしくて

余裕を見せる先生が悔しくて


本当は嫌じゃなかった自分に困惑して……。


睨むように先生を見ると、先生の満足気な笑顔を返された。