「……離して」
だけど……、
ここで先生の腕に甘えたら、きっともっとつらくなるから。
気持が大きくなっちゃうから。
『触れたい』
そんな事を願ってしまうから。
だから―――……っ、
「先生っ……」
「……していいよ。期待」
先生の胸から響いてきた言葉に……一瞬、思考が停止した。
訳が分からない状況に顔を上げようとしたあたしの頭を、先生が自分の胸に押し付ける。
「期待、していいから」
それだけ言うと、先生が深いため息をつく。
それがあたしの肩に落ちて、身体がびくんと反応した。
そんなあたしを見てか、先生は少し笑って……続けた。
「つぅか……危なっかし過ぎて放っとけねぇよ」
「……教師としてでしょ?」
先生の言葉に、先生の胸を両手で押す。
その手がまだ震えていて、あたしの緊張を伝えていた。
抱き締められたせいなのか、本音を先生にぶつけているからなのか……小さな震えが止まらない。
「違う」
「違わないよっ。あたしっ、先生の同情が欲しいんじゃない……」
「市川、ちゃんと聞けよ」
先生の身体を押すあたしの手を、先生が握る。
俯いたままその手を振り払おうとするあたしの顔を、先生が覗きこんで……無理矢理目を合わせた。



