「だって……期待しちゃうもん。
先生に優しくされる度に、嬉しくなっちゃうもん……」
呟くように言いながら、目を伏せて少しだけ笑顔を作る。
見つめた先に、捲れた床板があって……いつか先生に抱き締められた事を思い出した。
思い出しただけで、胸が苦しくなる。
……隠せるわけないじゃん。
前みたいに接するなんて……、そんなの無理だよ。
話せば話すほど好きになる。
優しくされれば期待する。
一緒に過ごす時間が増えるほど……想いが大きくなる。
だから……
あたしが諦められるように
もう、期待しないように
もう、ドキドキしないように……。
「あたしの事嫌って……
もう、話しかけないで――――……」
先生が、終わりにして。
こんな行き場のない気持ちを……、
迷惑しかかけない気持ちを……、
先生が全部、終わりにして―――……。
「……なんでだよ」
いつもとは少しだけ違って聞こえる先生の声が、静かに落ちる。



