中校舎はとても静かで、同じ敷地内に1000人以上の生徒がいるなんて信じられないほどだった。

話し声も足音も聞こえない。



静かに泣いていたあたしを、先生が不意に離す。


先生の腕の力が緩んだ事に気付いて、あたしは恥ずかしくなりながらも先生を見上げる。



力の抜けた先生の手は、まだあたしの背中に回っていて。

先生の腕の中からのアングルなんて初めてで……。



緊張が入り混じりながらも、まだ涙の滲む瞳で見上げた。

先生は、優しさを浮かべながらも真剣な表情であたしを見ていて……恥ずかしくなったあたしが目を逸らそうとした時。



距離を縮めた先生の瞳に捕えられて動けなくなった。








……―――そして。


先生の唇が、あたしに触れた。