「なんだぁ。歩、そんなこと言ってなかったから驚いちゃった」

 読んでいた雑誌を置いて、わた兄と一緒にお買い物。

 小さいときはよく一緒に遊んでもらってたっけ。

「え? 歩と仲良かったっけ?」

 首を傾げるわた兄。

 それを見て私も首を傾げた。

「もしかして、知らないの?」

「何を?」

「あたしたち、今付き合ってるんだけど」

 わた兄は心底驚いたのか、狭いコンビニの店内で大声で驚きを表した。

 おかげで店員に変な目で見られる。

「うっそ、そうなの? いや、ごめん。俺、何も聞いてなかった」

 苦笑いをするわた兄も、カッコイイ。

「昨日もうちに来てたんだよ」

「そうかぁ。だから帰りが遅かったのか、あいつ」

 コンビニでお菓子をおごってもらった私は、そのままわた兄と歩いて帰路に着いた。

 わた兄は歩より少し背が高くて、歩と違って目がパッチリしている。

 歩もそこそこイイ男だとは思うが、顔はどう見てもわた兄のほうがイケメン。