小さい頃から歩はずっとお隣さんで、幼稚園、小学校、中学校までは一緒だった。

 高校が別々になって、でも今こうして一緒にいる。

 歩が大学生になっても、社会人になっても、どうか今と変わらず私が隣にいれますように――。

「今日はお前を連れてきて良かったよ」

「え?」

「恵里の進路もわかったし、これから俺がどうすればいいか見えてきた」

「どうすればいいかって、とりあえず合格のために勉強でしょ?」

「それもそうだけど、他にも色々」

「例えば何?」

「それは教えられないな」

「ケチ」

 結局彼が何を考えていたのかはわからなかったけど、少し先の未来に希望が見えた初デート。

 あ、そういえばこれって初デートなんだ。

「よし、歩の気合が入ったところで街の方に遊びに行こう」

 今度は私から手を繋いで、歩の手を引き歩き出した。