歩、すごい。

 本当に橋架けちゃった。

 私が素直になれば、何も悩むことなんてなかったんだ。

 中学までヘタレだと思っていた彼の、男気。

 惚れ直したよ。



 歩に任せておけば、全てがいい方向に行くような気がする。

 頼れる。

 そんなこと、今までの男たちに思ったことなかった。

 歩はもう、何もかもが別格だ。

 私は嬉しさに感極まって、父の前だというのにまた泣いてしまった。

「え、ちょっと? 何で泣くんだよ」

「だって……なんか……」

「なんかじゃわかんねーよ」

「歩~」

 私が泣いているというのに、父と母は笑っていた。