歩に振られた翌日から数日間、私は熱を出して寝込んだ。

 当然歩が見舞いに来ることもない。

 私はただ、あの日の歩の顔を思い出しては涙を流し、ダルい体を震わせた。

 熱が下がったのは、金曜の夜。

 今下がっても明日は学校は休みだ。

 授業でも受けて気を紛らせたいのに、とことん私はついていない。

 軽くなった体は暇を持て余し、携帯をいじる。

 聡美やほのかちゃんからのメールは返信したが、歩と別れたことは文字にできなかった。

 谷村君からのメールが目に付いた。

〈土曜空けといて〉

 明日じゃん。

 何をしたいのかは知らないが、もう彼のために予定を空ける必要もなくなった。

 あれ以来谷村君から連絡はない。

 一体どういうつもりだったのか、聞く気にもなれなかった。