頭のどこかにひっそりと芽生える、最悪の展開。

 撮られた写真は今、一体どうなっているのだろうか。

 あんな事実忘れてしまいたくて、私は自分から何度も彼に口付けた。

 そうしていると、次第に歩も私を求めてくる。

 歩以外とこんなことしたくない。

「いっぱい跡残して」

 そうお願いすると、不思議そうな顔をして希望に応えてくれる。

 私は歩のものなんだから。

 他の誰にも触らせないで――……。



 翌日、谷村君はもう付きまとってこなかった。

 ただ、メールが一件。

〈よく撮れてるよ〉

 と、ふざけた絵文字とともに添付された画像には、しっかり彼とのキスシーンが収められていた。