うらやましいなら代わってあげたいよ。

 っていうか是非代わっていただきたい。

 モテるなんてくだらない。

 私は歩が好きでいてくれればそれでいいし、その他の男の人には出来れば好かれたくない。

 言い寄られるのって、正直面倒だ。

 前みたいにキャーキャー騒いでいればいいの?

 聡美がいないから、一人で。

 無理無理。

 そんなのただのバカじゃない。



 そんな私の気も知らない歩は、今日もガリガリお勉強。

 私は彼の様子を眺めながら、とある異変に気付いた。

「歩、なんか最近焦ってる?」

「え? ああ、入試もだんだん近くなったから」

 なんて答える顔が既に焦っている。

 詳細なんて聞いてもわかんないし、私は一言、

「無理しないでよね」

 とだけ伝えた。