――うん。一応午後八時過ぎに、六本木の駅前のビルに入ってるカフェ<サンツール>で待ってるから。場所分かるだろ?


「ええ。あたしも六本木の街、一通り知ってるから」


 ――じゃあおいでよ。


「分かった」


 千奈美が電話越しに了解のサインを出し、俺たちは約束を取り付けた。


 俺は午後二時三十分過ぎまで社長室にいて、午後の執務をこなした後、高橋からの電話連絡を待つ。


 固定に掛かってくるのだ。


 開始十五分ぐらい前に。


 そして俺は高橋から連絡を受け、社長室を出た。


 辺りは寒い。


 フロアは暖房が利かせてはあるものの、やはり冷え込む。


 俺は歩きながら、