ディオが彼女と面会を許されたのは、二日後だった。

重要人物として、警察署の中とは思えないほど贅を尽くした部屋で、彼女はディオを待っていた。

いつも完全に隙のない身なりをしていた彼女のマニキュアがはがれかかっているのを、初めて見た。


「最初は私の方から近づきましたの。
名乗るつもりはなかったのですけれど……」


顔立ちには似たところなど一つもないというのに、ふとした時に見せる表情の向こうに姉を見た。

気がつけば、フレディにイレーヌの知っていた事実をすべて話していた。

それが誤りであったと、知ったのはすべてが終わった後だった。


「これで、私はたった一人ですわ。

最後の肉親も逝ってしまいましたもの。

いずれにしても王族を害しようとしたのですから、死刑かしら?

死刑になるというのなら、一人でいるのもそれほど長いことではないのでしょうね」