「そうか……そういうことか」
噛みしめた言葉は苦かった。
先代の国王は、自分の中に愚かだった弟の姿を追い求めていたのだろうか。
自分の歩む道は、栄光への道だと信じていた。
奪われたものを取り返す正義の歩みだと。
「ダナを離せ。彼女は無関係だ」
なおも銃を向けたまま、ディオが言う。
「そうだな……無関係だ」
一瞬、手をゆるめかけたフレディだったが、気を取り直したように再度ダナを引き寄せた。
「帰すのはやめておこう。
俺が欲しかったものは、お前のもので最初から俺のものじゃなかったんだもんな。
……でも、彼女は違うだろ、俺がもらっておく」
「あたしの意志は?」
「うん、そっちはおいおいだな」
こんな状況だというのに、フレディの声音はいつもの彼のものに戻っていた。
作った陽気さにダナの胸に重いものがのしかかる。
噛みしめた言葉は苦かった。
先代の国王は、自分の中に愚かだった弟の姿を追い求めていたのだろうか。
自分の歩む道は、栄光への道だと信じていた。
奪われたものを取り返す正義の歩みだと。
「ダナを離せ。彼女は無関係だ」
なおも銃を向けたまま、ディオが言う。
「そうだな……無関係だ」
一瞬、手をゆるめかけたフレディだったが、気を取り直したように再度ダナを引き寄せた。
「帰すのはやめておこう。
俺が欲しかったものは、お前のもので最初から俺のものじゃなかったんだもんな。
……でも、彼女は違うだろ、俺がもらっておく」
「あたしの意志は?」
「うん、そっちはおいおいだな」
こんな状況だというのに、フレディの声音はいつもの彼のものに戻っていた。
作った陽気さにダナの胸に重いものがのしかかる。