そして、伊織君手を振るならさっさと行け。
「今日はてっきり来ないと思ってた。」
昨日の今日だし、特に今日は何もないし。
休みだろうなって思ってた。
だから、清々してた。
「何、来なくて寂しいって・・泣けるねっ。」
伊織君マジで死んで!!
「違うよ、昨日は健康診断だったから来た
のだと・・・思ったんだが」
昨日の話とか気まずいな。
地雷とか踏んでないよね。
被ばくしたら困るよ。
「何で、毎日来るよ。」
伊織君とチューリップって
何故か似合ってるよ。
フェロモン垂れ流しにチューリップ
もときめいちゃってるのね。
可哀想にあれは魔人の毒牙だよ。
「っていうか、あの人何をしに来たんだ?」
木陰で草むらの上に寝そべるあのビューティフル
フェイスをどこかに運んでくれ!!
絵にありそうな気がしてしょうがない。
オレンジブラウンの髪がふわっと風に
攫われる。
白い肌に一筋の朝日が当たる。
眩しそうに瞳を開ける彼と言ったら
もうこの世の人だとは思えない。
「も、もしや、あたしを狙うスパイ
がこの中に居るのか!?
大変だ、暗殺計画が進んでる。
大統領も予期せぬ射殺練習の
的になるのか・・・」
そ、そんなのご免だな。
心臓発作で死ぬ方がまだいいかも。
「お前、頭イカレてんじゃねぇの?
おーい、俺が分かるか?
1+1が分かるか?」
馬鹿にしやがって!!
このド金髪!
不良の塊があたしを馬鹿にするなど
一億万年早いわ。

