っていうか、まず停電なの?

ただ、ブレイカー落ちただけじゃないの?

「誰か、ケータイ持ってる人?」

こういう時は落ち着きが大事よ。

「・・ハッ!俺持ってます!」

ユウヤの声がどこからか聞こえて、

「じゃあ、それでいいから付けろし。

頭を使えよっ!!それぐらい思いつかんかね!!」

男9人で住んでる癖に肝心なとこ駄目じゃん。

薄暗い灯りが灯る。

「おうっ、隊長付きました!!」

隊長って・・・響きがいい。

「ブレイカー落ちてるんじゃないの?

窓の近くに居る人、街の様子はどうだね?」

雷酷いからそれで停電か。

「・・・全体的に暗い」

京様だったのね。

命令口調ですまいないね。

「じゃあ、停電だね。

普及するまで待つしかないよね。」

馨君、やっと正気になったのね!!

さっきから全然登場してくれてないから

あたし1人パニックだったよ。

チャッーチャチャララララン

っげ、マナーモードにし忘れてた。

学校で鳴らなくて良かった。

メールかしら?

チャララララン

「あらっ、電話?」

大変あたしに電話を掛けて来る人なんて

限られてくるんだから。

「って、お前か!!何で野球拳が着信音なんだよ!!」

そう言われても、兄ちゃんが設定してくれたし。

これ着信にしろって言われたっきりどっか

行っちまったのよ!!

「女子高生とは思えない選択ミスだよ。」

あたしがしたみたいになってる!!

「はいっ、もしもし?」

無視だね!!

シカトしちゃうもんね。