その日の講義は、匠だけ別の授業を取っていたので祥子と二人講義を受けるために教室で教授の到着を待っていた。

「ねえ、悠斗。彼女とはうまくいってる？」

突然、祥子が深刻そうな顔をしてそんなことを聞いてきた。

「えっ？葵のこと？うん、別に何も変わったことはないぞ。――何でそんなこと急に聞くんだ？」

「う、うん……。そうだよね、やっぱり私の……」

祥子は返事は歯切れが悪い。

「何だよ」

悠斗は、気になったがそこで教授が教室に入ってきて中断してしまった。

講義が終わってから改めて聞こうと思い、とりあえず今は講義に集中することにした。