いつもと何も変わらない朝が訪れた。

しかし、悠斗の中では不安は消えていない。

華音と連絡をつけたくても、連絡先すら知らなかった。

本当に、悠斗の器の分離に成功したのだろうか?

華音は、無事なのだろうか……?

今、その答えはどうやっても出すことができない。

これ以上考えていても仕方がないので、とりあえず大学へと向かうことにした。


いつもより、早めに出てきたのでまだ教室に人は疎らだったが、匠の姿があるのを見つけた。

「匠!」

「あれ、悠斗。今日は、早いんだな」

匠はいつもとかわらず、爽やかな笑顔を見せている。