日付はとっくに変わって、もううっすらと朝の光がさしている。

「葵!」

悠斗は、葵が眠る百目鬼家の茶室に直行した。

茶室の中には、相変わらず血の気のうせた葵が寝かされており、その側にすっかりやつれてしまっている龍ヶ崎がいた。

「どうやら、何か解決策が見つかったようですね。良かった。私の力ももうそろそろ限界を迎えるところでした」

「ありがとう、龍ヶ崎さん。もう大丈夫です。後はオレに任せてください」

その言葉を聞くと、龍ヶ崎はふらつきながらも立ち上がり、茶室を出て悠斗と葵の二人だけにしてくれた。

「葵」

悠斗は優しく葵に語りかける。

「もう大丈夫だから。葵、目を開けてくれ」

悠斗の体を再び柔らかな光が包み込む。

悠斗は葵の体をそっと抱き起こすと、その額にキスをして抱きしめた。

悠斗を包んでいた光は、葵の体をも包み込んだ。

悠斗は葵の体が徐々に体温を取り戻していくのを感じていた。