悠斗の質問には答えず、龍ヶ崎はさらに続ける。

「知ってるが、それがどうしたって言うんだ」

龍ヶ崎は、悠斗の質問には答える気はないらしい。

「それなら、話が早い。まずは、一磨様を探すのです。きっと、一磨様なら何かしらの知恵を貸してくれるでしょう。さあ、時間がないお急ぎください」

龍ヶ崎は有無を言わせず、悠斗を無理やり茶室から追い出すとピシャリと入り口を閉めてしまった。

悠斗はしばらく、呆然としていたが今は龍ヶ崎の言葉を信じるしかなかった。

「葵、待ってろよ」

一言呟くと、悠斗は再び走り出した。


~加速する悪夢 完~