涙がこぼれてしまう前に、私は走って帰宅した。
部屋に入って、引き出しから似顔絵を取り出す。
ゴリラのような顔をした私の似顔絵。
きっとあいつの目には、こう写ってるんだ。
かじかんだ手に力を込めた。
ビリッ
折り目を基準に、まずは真っ二つに破く。
ビリッ ビリッ
細かく細かく。
テープで貼り直したって、もう見ることができないくらいに。
気が済むまで破いて、ゴミ箱へ突っ込む。
作業を終えた私の顔はグチャグチャで、走ったからか息も上がっていた。
思い出して、バッグから小さな箱を取り出した。
包装を解き、中に入っているチョコを自分の口へ。



