ガタッ
聞いていられなくなった私は、立ち上がってバッグを持った。
「あーはいはい。よかったね」
机であぐらをかいたままの彼は、更に私の心をえぐろうとする。
「ま、三村がどうしてもって言うならもらってやるけど?」
もう遅いよ。
あんたの気持ちは十分にわかったから、これ以上私を傷つけないで。
私は彼の座っている机を思いっきり蹴った。
「うわっ!」
よろけて机から落ちそうになったのを、何とか落ちずに堪えやがった。
落ちてしまえばよかったのに。
「バーカ。必要ないならあげないし」
私はそのまま逃げるように教室を出た。
「おい、三村!」
呼び止めようとするあいつを無視して。



