23.5cmの卒業証書 from ペアリングを外して


 ガタッ

 聞いていられなくなった私は、立ち上がってバッグを持った。

「あーはいはい。よかったね」

 机であぐらをかいたままの彼は、更に私の心をえぐろうとする。

「ま、三村がどうしてもって言うならもらってやるけど?」

 もう遅いよ。

 あんたの気持ちは十分にわかったから、これ以上私を傷つけないで。

 私は彼の座っている机を思いっきり蹴った。

「うわっ!」

 よろけて机から落ちそうになったのを、何とか落ちずに堪えやがった。

 落ちてしまえばよかったのに。

「バーカ。必要ないならあげないし」

 私はそのまま逃げるように教室を出た。

「おい、三村!」

 呼び止めようとするあいつを無視して。