ガラガラガラッ
乾いたドアの音を廊下に響かせて、教室へ入る。
「あ」
もう誰もいないはずの部屋に、聞き慣れた声がした。
驚いて視線を向けると、そこには部活に行っているはずのあいつ。
心臓が飛び出るかと思った。
「小出っ……、何やってんの? 部活は?」
小出に驚いた素振りはなく、ただ真顔で席に座っていた。
「ちょっと、サボり」
「はぁ? あんた部長でしょ。しっかりしなさいよ」
少し悪態づくと、話せた嬉しさに涙が出そうになった。
こんなに当たり前に言葉を交わしたのは半年ぶりだ。
「うるせーな。今から行くっつーの」



