大方

何が聞きたいか

分かっているけれど、

私はこの手の顔が苦手だ。


だってこの顔の前では

嘘をつく勇気がもてないから。
 

学子は今、

そんないやらしい顔をしている。




「美里ってさ~。付き合ってるんでしょ?桃乃木君と!」



やっぱり。



「え?それ私も聞きたい!」 



ヒカリ。

乗っかってきたね。

何気にあんたらいいコンビだわ。


「ん?」


ヒカリと学子がみつばちゃんを見つめる。


「…あっ、私も。」


しばらく間をおいて、

みつばちゃんも急に思い立ったかのように手をあげた。


「なにこの連携?」


ったく、この子らは。

初対面でしょ?