甘めな恋愛ショート集




「ケイ、バンドでボーカルなんでしょっ。──ケイの歌が一番聴きたい……」

勇気を出して精一杯言ったら、
ケイがクスクスと笑った。

「今度歌ってあげるよ」

「今度っていつ?」

私がそう聞いたら、

「もう、可愛いなぁ」

ぎゅーっ、と更に
抱かれる腕に力が篭った。

「僕は未来が見えるからね。今度は必ずあるから安心して」

そう言ってケイは、
また私のほっぺにキスをした。