甘めな恋愛ショート集




「ごめんごめん、冗談だよ」

コータが
アタシの前で膝をおった。

いつの間に
こんな大人になったのよ。

「ふんだ、許さないもん」

つん、と
アタシはそっぽを向いた。

コータは
やれやれと言って
頭をかいた。

それから、
アタシを抱き締めた。

「許してくれる?」

許しちゃいたい。

コータの匂いが
鼻をくすぐる。

「許さないもん」

ガンコなアタシを
コータはよく知ってる。

くっくっく、と
コータが笑った。

「ったく、可愛いな――」

アタシのほっぺたに
コータの手が触れた。