莢「由紀音、朝ですよ。」

莢の声が聞こえる。


由紀音「おはよぉ〜。」
私は、背伸びをしてベッドから出た。


由紀音「莢、冬夜と白守は?」

莢「冬夜は、下ですよ。白守様は、朝早く出掛けて行きました。」


………何処に行ったんだろう?


私は、着替えて下の階に降りた。

莢が、夕食の準備をしてくれている。




冬夜「お姉ちゃん!早くご飯にしよ!」


由紀音「そうね。」


私と冬夜、莢は一緒にテーブルを囲む。
何時もなら、白守も一緒なのに、今日はどうしたのだろう?



由紀音「ねぇ、莢。この地の巫女って知ってる?」

莢「知ってますよ。私は、これでも零藍の地で千年以上生きてますから。」

冬夜「ねぇ、巫女って何?」


冬夜が、不思議そうに言った。


莢「巫女は、巫女ですよ。」


冬夜「ふぅーん。」




その後、私達は暫く静かに食事を続けた。


冬夜「ごちそうさま。僕、遊びに行ってくる!」

由紀音「夕方迄には、帰って来なさいよ。それから、森に近付いちゃ駄目よ。」

冬夜「はーい!」

冬夜が、玄関から飛び出して行く。
恐らく、友達の家に行ったのだろう。




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