ああ、ここは海だ 私はそれが不自然な事のようには思えなかった 雨はここでは降っておらず潮騒の音が聞こえる 支払いを済ませたシュウがタクシーから降りてタクシーがそのまま排気ガスを出し行ってしまうと、シーズンでもない夜の海に残されたのは私とシュウ、二人だけ シュウはいつかのように海の砂浜前の階段に腰掛け 私も同じように隣に腰掛ける それにしても眠たく 意識はまたしばらく飛んだ (どうしてこんなに……) 自分でも不思議だった