ジュリエットに愛の花束を。



「やっぱり行くよ。だって、俺が原因だし、それにお兄さんに嘘つくのも嫌だし。

一緒に行って……間に合わなかったら一緒に怒鳴られて謝る」

「でも……」


「あとでバレた時が怖いし」なんて、付け足しながら立ち上がった樹。


あたしはそんな樹にため息をつきながら、立ち上がって玄関に向かった。


確かに、素直に白状した方がいいのかもしれない。

だけど……それに樹を巻き込むのはちょっと気が引ける。


色々迷惑かけてばっかりなのに……

なんだか本当に申し訳なくなってしまう。



 ※※※



樹が爆音車を飛ばしたおかげでギリギリ間に合ったあたしは、そーっと玄関を開けて中に忍び込む。

……別に自分の家なんだから忍び込まなくてもいいんだけど。


そんなあたしに目ざとく気付いたお兄ちゃんが、リビングから顔を出した。